東日本大震災と原発事故から13年。喪失と絶望の中でもがき苦しむ人たちと、彼らに寄り添う医療従事者たちの日々を追った映画「生きて、生きて、生きろ。」が25日から東京都中野区のポレポレ東中野で公開される。
「生きてるだけで立派だよ」。精神科医の蟻塚亮二さんが、いまでも死にたくなるという女性の患者にやさしく語りかける。蟻塚さんは2013年から福島県相馬市のメンタルクリニックなごみの院長を務める。
なごみには、うつやパニック障害など、震災や原発事故に起因したPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を訴える患者たちがやってくる。カメラはその診察風景を追う。
津波で夫が行方不明のままの女性は、震災から7年後に突然、耐えきれないほどの頭痛に襲われるようになった。蟻塚さんのもとに通い、話を聞いてもらうことで現実を受け入れていく。
「生きていていいんだという…