被告が「献上桃のお礼」として農家に渡した木札。紙に包まれていた=2022年5月9日、福島県(画像の一部を加工しています)

 皇室に献上すると持ちかけ、農家から桃などをだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われた農業園芸コンサルタントの被告(76)に対し、懲役3年執行猶予5年を言い渡した福島地裁判決が確定した。検察、弁護側の双方が期限の19日までに控訴しなかった。

 判決によると、被告は2022年6月、福島市の桃農家の70代男性に「宮内」の印影を偽造した「献上依頼書」を渡して桃を要求し、同年8月に桃4箱(1万6500円相当)を詐取。同様の手口で、茨城県の農家からシイタケ2キロ(6千円相当)とトマト2箱など(1万2千円相当)をだまし取るなどした。

 被告は宮内庁や皇室と無関係だったにもかかわらず、「東大教授」など虚偽の肩書を用いていた。問題発覚後、被告を信じていた福島市が「献上桃産地」などと書かれた木札のレプリカを道の駅から撤去するなど、各地に影響を及ぼした。(波多野陽)

共有
Exit mobile version