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チェコの首都プラハで開かれたフォーラムで14日、講演する台湾の蔡英文前総統=蔡英文事務所提供

 台湾の蔡英文(ツァイインウェン)前総統は14日、チェコの首都プラハのフォーラムで講演し、中国が同日、台湾周辺で行った軍事演習に触れ「この五十数年、中国共産党政権は様々な手段を使って台湾を併呑(へいどん)しようとしてきた」と指摘。世界で権威主義政権が自信を深める状況にあるとしたうえで、「民主国家はパートナーへのいかなる威嚇や武力行使も深刻な結果を招くという明確なシグナルを発しなくてはならない」と結束を訴えた。

 蔡氏の事務所が発表した。5月の総統退任後、蔡氏が海外を訪問するのは初めてで、8日間の日程で欧州諸国を歴訪する見通し。中国との緊張が高まる中、台湾側には蔡氏の訪問を通じて、民主主義の欧州諸国からの支持を固める狙いがあるとみられる。

 蔡氏は講演で、中国とは名指…

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