前防衛装備庁長官の土本英樹さん
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 政府は英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機について第三国への輸出を解禁しました。この問題に関わってきた前防衛装備庁長官の土本英樹さんは、地域全体の抑止力を高める必要性を強調し、「死の商人とは全く逆」と訴えています。

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 ――日英伊が共同開発する次期戦闘機の輸出について朝日新聞社の3月の全国世論調査は賛成40%、反対45%と割れています。

 「この種の問題で世論の理解を得るのは、なかなか難しいことです。特に殺傷能力があるとなれば『日本製の武器で人を殺すのか』と言われてしまいますが、徐々に賛成の割合は増えてきていると思います」

 「防衛装備品を輸出しようとすると『死の商人』と批判されるのですが、そもそも防衛装備品は日本の防衛のために必要なものです。いま日本がやろうとしているのは、いわゆる『死の商人』とは全く逆のことだと私は思っています」

 ――全く逆とは。

 「『死の商人』といえば、金…

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