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配膳する大河原さん=埼玉県川越市幸町
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 埼玉県の地元ガス会社・武州ガス(本社・埼玉県川越市)が自社で養殖したウナギを提供する実店舗を開いた。場所は川越市の中心街で、11月までの毎週月曜日、かば焼きをのせたミニどんぶりなどを販売している。将来は飲食事業の本格展開を視野に入れる。

 同社は川越市や所沢市など17市町で都市ガスを供給している。2022年6月から東松山市内でウナギの陸上養殖事業を始めた。ブランド名は「武州うなぎ」。昨年度は2万4千匹を出荷し、かば焼きに加工してネット限定での販売にも取り組んでいる。

 今回は初の実店舗での販売となる。観光客の多い川越市一番街にある「りそなコエドテラス」1階のシェアキッチンを週1回、3カ月間借りた。

 主力商品は、かば焼きの上にタレと卵白でつくった泡状の「ムース」をのせた「うなぎごはん」(税込み800円)と、かば焼きを具にした「うなぎおにぎり」(同450円)の2点だ。

 開店日は毎週月曜日の午前10時~午後3時。短い時間だが、2度目の出店となった9月16日には、それぞれ100個近い注文が入り、観光客の反応も上々だったという。

 アルバイトに頼らず、養殖事業に取り組む社員たちが調理や接客、テイクアウトに対応する。

 養殖事業の責任者で実店舗にも立つ大河原宏真さん(51)は「提供するお米も自分たちで作っており、安心・安全な食品事業に取り組んでいる。まだ慣れていないが、自社で飲食店を出店する第一歩にしたい」と話している。(永沼仁)

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