茨城県土浦市は1日、2日に予定していた第93回土浦全国花火競技大会を中止すると発表した。台風21号の影響などで雲の高さが低くなり、観客から花火がよく見えなくなる恐れがあるためとしている。
市によると、大会は1925(大正14)年に始まった。秋田・大曲、新潟・長岡と並ぶ「日本三大花火大会」とされる。今年は全国から56業者が参加し、直径300メートルの大輪を咲かせる「10号玉」、多数の花火を連発する「スターマイン」、文字やキャラクターなどを描く「創造花火」が行われる予定で、市は昨年と同規模の約60万人の人出を見込んでいた。
市は3日か9日への延期も検討したが、警備員の人手不足が深刻で、必要な人員約470人のめどがたたなかったため、「安全を確保する警備が困難」と判断し、開催中止を決めた。
実行委員会会長の安藤真理子・土浦市長は「安全な大会開催を最優先に考え、苦渋の決断となりましたが、中止することといたしました」とのコメントを出した。(鹿野幹男)