
自民党派閥の裏金事件で失墜した政治への信頼を、取り戻すきっかけさえつかめぬまま、国会が会期を閉じる。
自民党議員の2割を超す82人が組織的に関与した裏金問題の本質は、領収書1円でも間違わずに申告して税金を納めている国民への裏切りだ。リクルート事件以来といわれる政治不信を解消するには、単に事件の再発防止だけではすまない。35年前に自民党が政治改革大綱で政治とカネの問題を「政治不信の最大の元凶」と位置づけ、「多額の政治資金の調達をしいられる政治のしくみ」を抜本的に変えると宣言した宿題に答えを出すことが必要だった。
ところが、政治にカネがかかる構造は変わらず、政党交付金として受け取る税金の他に企業団体からも献金を受け取れる仕組みを温存。支出先も用途もわからないカネのやりとりは10年間伏せる。これでは「政治改革」の名に、とても値しない。
裏金づくりのシステムをいつ…