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宝塚大劇場=兵庫県宝塚市
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 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)は11日、これまで個人事業主として業務委託契約を結んでいた入団6年目以降の劇団員221人について、労働関係法令の保護対象になる雇用契約に1日付で切り替えたと明らかにした。劇団員の雇用形態などについて、西宮労働基準監督署から昨年9月、是正勧告を受けていた。

 歌劇団をめぐっては2023年秋、入団7年目の劇団員が死亡した。歌劇団は昨年3月、過重労働や先輩劇団員らによるパワーハラスメントを認めて遺族に謝罪。同時に、外部の識者の提言を受けながら組織改革を進めると発表していた。

 この日、村上浩爾理事長が取材に応じ、組織改革の現状を説明。「これからも時間をかけて、改革を積み上げていく必要がある」と語った。パワハラにもつながる慣習やルールについては、「良い舞台をつくるのに関係のない形式的なルールは、少しずつ減っていると言える」とする一方、「長年積み重なってきたものもあるので、今後も一歩一歩改善を進めていく」と話した。

 直近の新たな改革の一つとして、今年1月から劇団員やスタッフにタブレット端末を配布したことを挙げた。稽古場に常設したカメラで稽古の様子を録画し、端末から再生して復習できるようにしたという。村上氏は「稽古の効率化や準備をしっかりすることで、日常の一つ一つを改善し続ける」と話した。

 阪急電鉄が運営する歌劇団は、内部統制や労働管理などを適切に行えるようにするため、今年7月をめどに株式会社になることを発表している。

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