トランプ次期米大統領=11月5日、米ミシガン州、田辺拓也撮影

 主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が18日出した首脳宣言は、地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」の順守を何度も訴えた。だが、「掘って、掘って、掘りまくれ」と訴えるトランプ次期米大統領は、化石燃料の採掘に全力をあげる方針。パリ協定からの再離脱も唱えており、気候変動をめぐる国際協調は分断の危機にある。

 首脳宣言は「パリ協定の完全かつ効果的な実施を強化」などと、パリ協定に繰り返し言及した。議長国ブラジルが気候変動対策に熱心なこともあり、宣言は「多国間主義への強いコミットメントを再確認」し、G20で一致して取り組む重要性をうたった。

 こうした文言からは、世界2位の温室効果ガス排出国でありながら、前政権時に協定から離脱したトランプ氏を牽制(けんせい)する思惑がうかがえる。

 しかし、「米国第一主義」を訴えて返り咲きを決めたトランプ氏が国際社会の声に耳を貸す可能性は低い。「黄金の液体」と呼ぶ化石燃料の採掘強化に向け、すでに手を打ち始めている。

 トランプ氏は15日、ノース…

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