人間ってそんなに変わらない。どんなに時代が違っても。神戸港での1000年の人の営みを描く舞台「神戸の湊(みなと)、千年の交々(こもごも)」に、南野陽子が出演する。演じる主婦役は、南野の「本質」から劇作家がつくりあげたという。
大輪田泊(おおわだのとまり)と呼ばれた平安時代、北前船が行き来した江戸時代。そして戦争に苦しんだ昭和、阪神・淡路大震災に見舞われた平成。それぞれの時代に生きる人たちを、オムニバス形式で描く。
兵庫県伊丹市出身の南野。神戸は特別な場所だという。
幼い頃、大好きな父と2人でよく、神戸に映画を見にいった。中学から神戸に通学し、青春時代を過ごした。いまも「私の本音を知っている友達は、神戸の人ばっかりです」。
南野が演じるのは現代を生きる主婦、足立佐知。南野にとって「神戸の友人代表みたいな」、身近な存在だという。
ずっと家族のために生きてきた。でも、あるとき考え始める。長年降り積もった日常の不満や違和感を、このままやり過ごしていいのか――。
「思った以上に細やかで、人…