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記者会見する植田和男・日銀総裁=2024年9月24日、大阪市北区、代表撮影

 日本銀行が、追加利上げをめぐって金融市場との対話に腐心している。日銀が利上げに転じた3月以降、植田和男総裁が発言するたびに、その意図をめぐって円高に振れたり、円安に振れたりを繰り返している。今月には米国が利下げ局面に入り、日米の金融政策が逆方向に動く異例の状況を迎えた。踏み込んだ発信にはリスクも伴う。

 植田氏は24日、大阪市での記者会見で市場との対話について「できるだけ、丁寧なコミュニケーションをとっていきたい」と強調した。

 前週末20日の金融政策決定会合後の会見で、植田氏は経済・物価の情勢が見通しに沿って進めば、引き続き利上げを進める考えを改めて示した。一方で、時期やペースには言及せず「判断に時間的な余裕がある」と発言したことから、市場は利上げに慎重と受け止めた。円相場は一時1ドル=144円台まで下落し、会見前後で2円ほど円安に振れた。

 日銀が17年ぶりの利上げに…

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