岸田文雄首相と会談後、取材に応じる公明党の山口那津男代表=2024年5月14日午後0時59分、首相官邸、岩下毅撮影

 自民、公明両党は14日、自民の裏金事件を受けた政治資金規正法改正案に関する両党間の溝をめぐる協議を続けたが、この日も平行線が続いた。公明は野党も巻き込んだ協議を望んでいるためだ。今後も距離は縮まりそうになく、自民が単独で法案を提出する公算が大きくなってきた。

 岸田文雄首相と公明の山口那津男代表はこの日、官邸での定例昼食会で会談した。終了後、山口氏は記者団に、首相から「自民党として法案化の作業を進め、公明に相談したい」と伝えられたことを明かした。野党との協議の前に、自公共通の与党案のとりまとめをめざす首相に対し、山口氏は「野党の考え方もうかがって幅広い合意形成をめざす努力も与党として必要だ」との考えを首相に伝えたという。

 山口氏が首相の提案を受け入れないのは、事件の当事者であるにもかかわらず、政治資金の透明化に向けた改革に後ろ向きの自民と一線を画したい意向があるからだ。

 両党は9日に規正法改正案で…

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