写真・図版
ラビットチェアで撮影を楽しむ来館者ら=2024年10月8日、金沢市、金居達朗撮影

 金沢市の中心部にある金沢21世紀美術館(21美)が9日、開館20周年を迎えた。北陸の地方都市にありながら、来館者数は東京の名だたるミュージアムと並んで国内トップ3の常連。人気の秘訣(ひけつ)は何なのか。

 円形平屋建ての建物の一角。真っ白な壁を背景に、ウサギの耳を模した1人掛けの木製椅子「ラビットチェア」が一列に並ぶ。

 若い女性やカップルが、手のひらでウサギの耳のまねをするなどして「映え」を意識した写真をスマートフォンで代わる代わる撮っている。

 友人と東京から訪れた大学生の女性(19)は「インスタでこの椅子の写真を見て、金沢旅行の最初に来ました」。人気の恒久展示作品「スイミング・プール」の内部でも撮影したという。

 ラビットチェアは展示品ではなく備品だ。21美の建築を担当した建築家ユニット「SANAA」の妹島和世さんらが作り、市販もされている。長谷川祐子館長は「まさかあんなにバズるとは」と話す。

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ラビットチェアで撮影を楽しむ来館者ら=2024年10月8日、金沢市の金沢21世紀美術館、金居達朗撮影

 インスタグラムやYouTubeで「金沢旅行」と検索すると、21美は定番スポットとして登場する。

入館者の7割、北陸の外から 

 入館者が年間10万人を超え…

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