渡辺千恵子さんの墓前に集まった長崎原爆被災者協議会の会員ら=2024年10月12日午後2時9分、長崎市の延命寺、榧場勇太撮影

 ノーベル平和賞の受賞決定から一夜明けた12日午後、日本被団協の県内組織である長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の被爆者らが長崎市内の延命寺を訪れ、ある女性のお墓に花を手向けた。

 「ノーベル平和賞を受賞しますよ。天国で大喜びしている様子が目に浮かびます」

 被爆者たちが受賞決定を報告した女性は、渡辺千恵子さん(1928~93)。被爆者運動の先駆けとなる「長崎原爆乙女の会」の創設メンバーのひとりだ。

 1945年8月9日。16歳だった渡辺さんは、長崎の爆心地から約3キロの学徒動員先の工場で被爆した。崩れ落ちた鉄骨の下敷きになって脊椎(せきつい)を損傷し、半身不随となった。

【動画】亡くなった被爆者の渡辺千恵子さんの墓前で受賞の報告をした長崎原爆被災者協議会の会員たち

「世界の皆さん、どうぞ私を写して下さい」

 渡辺さんが、不自由な体で被…

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