イスラエルのネタニヤフ首相は22日、ワシントンでのバイデン米大統領との会談に向けテルアビブを出発しました。会談では、イスラム組織ハマスとの停戦や人質解放をめぐる交渉について協議するとみられます。

 昨年10月にパレスチナ自治区ガザで戦闘が始まって以降、ネタニヤフ氏の訪米は初めてです。バイデン氏は5月末に3段階からなる停戦案を発表しましたが、大統領選からの撤退が協議に影響する可能性もあります。

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2024年7月22日、パレスチナ自治区ガザ南部のハンユニスにある病院で、イスラエル軍の攻撃で負傷したパレスチナ人の子どもたちを運ぶ人々=ロイター
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■■■2024年7月23日(日本時間)の動き■■■

ヨルダン川西岸で7人死亡 イスラエル軍が空爆

 パレスチナ自治区ヨルダン川西岸で23日、イスラエル軍が武装勢力を急襲し、パレスチナ人7人が死亡した。パレスチナとイスラエル双方の当局の話として、ロイター通信が報じた。

 報道によると、トゥルカリム市でイスラエル軍とパレスチナ側武装勢力が衝突。イスラエル軍が空爆するなどし、イスラム組織ハマスとヨルダン川西岸を実効支配するファタハの司令官各1人、女性1人を含む5人が死亡した。また、ヘブロン市近郊でもイスラエル軍が急襲し、パレスチナ人2人が死亡したとしている。

「分裂終わらせる」 ハマスとファタハが北京宣言に署名

 中国国営中央テレビ(電子版)は23日、パレスチナの各派が21~23日に北京で和解に向けた会談を行い、パレスチナ自治政府主流派ファタハや、ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスなど各派の代表が、分裂を終わらせ、パレスチナの団結を強める「北京宣言」に署名したと報じた。

 ロイター通信などによると、ファタハとハマスらパレスチナの14の派閥の代表が、中国の王毅外相らを交えて会談。北京宣言では、イスラエルとハマスの戦闘終了後に、ガザを統治する暫定的な政府を樹立することにも合意したという。

イスラエル議会、UNRWAを「テロ組織」と認定する法案を議論

 イスラエル議会は22日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を「テロ組織」と認定する法案を議論した。ロイター通信が伝えた。イスラエル政府の幹部らは、UNRWAがイスラム組織ハマスに協力していると非難してきた。

 報道によると、法案はUNRWAをテロ組織と認定し、関係断絶を提案するという。議会の第一読会で可決され、外交・防衛委員会でさらに審議されるという。法案を受け、UNRWAの広報担当者は「このような措置は、国連の歴史上、前代未聞だ」と述べたという。

 イスラエル政府は、昨年10月のイスラエル南部への攻撃に、イスラム組織ハマスのメンバーとしてUNRWAの職員が関わっていたと主張している。

ハンユニスへの攻撃で70人死亡 ガザ保健省発表

 イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃をめぐり、ガザ保健省は22日、ハンユニスで70人が死亡し、200人以上が負傷したと発表した。イスラエル軍は22日朝、民間人の避難先として指定していた一部地域に対し、避難命令を出していた。同省によると、この命令の後に攻撃があったという。

 同省は、昨年10月の戦闘開始以降、ガザでは3万9006人が死亡、8万9818人が負傷したとしている。

■■■2024年7月22日(日本時間)の動き■■■

イスラエル軍、人質2人の死亡を確認

 イスラエル軍は22日、昨年10月にイスラム組織ハマスによってパレスチナ自治区ガザに連れ去られた人質の男性2人の死亡を確認したと発表した。遺体はいずれも、ハマスのもとにあるとみられる。イスラエル当局は、死亡時の状況を詳しく調べているという。

 軍の発表などによると、死亡したのはアレックス・ダンシグさん(75)とヤコブ・ブクフシュタフさん(35)。地元メディア「タイムズ・オブ・イスラエル」によると、数カ月前にイスラエル軍がガザ南部ハンユニスで作戦を展開しているときに死亡したという。

 報道によると、ハマス側は今年3月、ダンシグさんはイスラエル軍の攻撃で、ブクフシュタフさんは食料や薬の不足で死亡したと主張していた。軍は現在、ハマスに拘束された人質116人のうち44人の死亡を確認しているという。

イスラエル軍、ハンユニスの一部地域に避難命令 直後の空爆で37人死亡

 イスラエル軍は22日朝、パ…

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