源氏物語の作者・紫式部の生涯を描くNHK大河ドラマ「光る君へ」。主人公まひろ(吉高由里子)は、藤原道長(柄本佑)との関係に心が揺れ動くかたわら、身分や性、貧富の違いによる差別に直面しながら平安社会を生き抜く。現代社会の視点から源氏物語を読み解くエッセー『ミライの源氏物語』を著した小説家の山崎ナオコーラさんに、ドラマの魅力と今後の期待について聞いた。
これまでの大河とは違う主人公像
――これまでの「光る君へ」をどう見ていますか。
舞台が平安時代、主人公は女性ということで、史料も限られていると思います。その中で、男女の関係だけではなく、女性同士の機微も描き、人間味を感じられるドラマになっていますね。
例えばまひろの友人のさわ(野村麻純)との友情は面白いですね。道長の妻・倫子(黒木華)、清少納言(ファーストサマーウイカ)といったまひろのライバルになる存在についても、単なるキャットファイト(口げんか)の相手として単純化していません。
女性への差別が激しい中で…