「ロマンス詐欺」の被害金回収をうたい、無資格業者に法律事務をさせたとして、弁護士法違反(非弁提携)の罪に問われた弁護士の川口正輝被告(38)=大阪弁護士会=の初公判が2日、大阪地裁であった。川口被告は起訴内容を認め、「私の行為で弁護士の社会に対する信頼を毀損(きそん)してしまった」と述べた。

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 弁護士資格がないのに法律事務をしたとして、同法違反(非弁活動)の罪に問われた広告会社役員の井田徹被告(39)=横浜市=、鈴木義守被告(48)=川崎市=、作道美稚代被告(38)=大阪市=、井川敬太被告(40)=埼玉県=の初公判もあり、いずれも起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、川口被告は4人に弁護士名義を貸して2022年12月~23年7月、詐欺被害者17人に対し、本来は弁護士が担う法的な助言をさせるなどして、着手金計約1811万円を受け取ったと主張。4人はウェブ広告を手がけ、「事務員」を用意して電話やLINEで被害者への対応をさせたとした。

 井川被告らは一連のスキームを実現できそうな弁護士を探し、作道被告が自身の会社の顧問弁護士だった川口被告に「先生はほとんど手間がかからない」と声をかけたと指摘。着手金の7割は4人が受け取っていたと説明した。

 大阪弁護士会の調査によると、川口被告は同様の手法で全国の約1800人から計9億6千万円を受け取っていたという。

 同会には全国から約800件の被害相談があるといい、同会は公平に被害補償をさせるため先月26日、川口被告について財産保全と破産手続きの開始を地裁に申し立てた。(戸田和敬)

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