イラスト・きたむらさとし

悩みのるつぼ 相談者(50代女性)

 実家暮らしの独身。高齢の母と同居しています。

 90代の父は、認知症で施設に入所中。80代の母はおおかたの家事を担ってくれて、感謝しています。

 私の悩みは、老親の介護をしているとき、過去に受けた仕打ちや傷ついた記憶がよみがえって冷たく接してしまい、後で嫌気が差すことです。優しくなりたいのに。

 私は子どもの頃から、給食は居残り組、運動音痴で駆けっこはいつもビリ。成績は中の下、手先も不器用。家族からことあるごとにバカにされ、萎縮していました。

 しかし、いざ社会に出てみると、逆上がりができずとも、跳び箱が跳べずとも困ったことは一度もありません。のろまで鈍い私も、昨今の女性活躍の時流に乗り、管理職になる経験もしました。

 3人の子どもの中で、最も不出来でソリの合わない私の世話になって最期を迎えるとは、両親にとっても皮肉なことでしょう。心にふたをしていますが、ひどく落ち込む日もあります。先の見通せない介護が続くと覚悟しています。どうやってネガティブスパイラルを断ち切ればいいのでしょうか。

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■回答者 政治学者・姜尚中さ…

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