ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、スイス・ダボスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で演説し、米トランプ新政権の発足を受けて欧州の結束を訴えた。
ゼレンスキー氏は、米国にとって欧州が、アジア太平洋地域などより優先順位が低かったことを指摘した上で、「欧州は強力で不可欠なグローバルなプレーヤーとして地位を確立しなければいけない」と述べ、米国の関心を呼び戻す必要性を強調した。
また、統一された欧州の安全保障や防衛政策が必要だとした上で、トランプ氏が北大西洋条約機構(NATO)加盟国に求めている防衛費の大幅増額に理解を示した。
さらに、ウクライナへの真の安全保障は「欧州の全ての人にとっての真の安全保障となる」と訴えた。演説後の質疑のなかでも、ゼレンスキー氏は戦争終結に向けて、ロシアが再び戦争を仕掛けてくることを防ぐための強力な(西側からの)安全保障が不可欠であることを強調した。「トランプ大統領は私に今年中に戦争を終結させるために全てのことをすると言った」と述べた。その上で「我々は、今年中に戦争を終わらせたいと思っている。だが、『早急に』ということだけではなく、何よりもまず『公正に』だ」と語った。