写真・図版
1970年大阪万博の富士グループパビリオン。世界で初めての空気膜構造による建造物。10階建てのビルがすっぽり入る空間には柱は一つもない。それにもかかわらず秒速60メートルの風がきてもびくともしない頑丈さが売りだった=朝日新聞社ヘリから

 万博を好機とし、「世界一」とも言われる技術を磨いてきたのが、太陽工業(大阪市)だ。東京ドームの屋根のような膜構造を手がける。

 「万博は技術を進化させる」。元取締役の望月利男(79)は語る。

 望月が、1970年の大阪万博の2年前に入社すると、万博一色だった。アメリカ館や休憩所など膜を使った仮設建物の9割の施工を担っていた。

 望月も半年後には、富士銀行…

共有