環境省は30日、来年度予算にむけての概算要求を発表した。水俣病対策関係は116億2400万円。伊藤信太郎環境相との5月の懇談で患者の話を遮った「マイクオフ」問題以降の議論を踏まえ、支援策拡充を盛り込んだ。だが、患者側の要望とはずれもある。今後も実務者協議での議論が続く。
マイクの音量が切られた懇談は、患者側が環境相に支援策の拡充や患者認定のあり方などを要望し、議論する場だった。
「マイクオフ」は、要望に10年以上回答せず放置してきた実態を浮き彫りにした。再懇談にあたり、要望にどう向き合うかも環境省は問われた。予算が必要な要望に応えるには、概算要求に盛り込む必要があるため、概算要求が最初の試金石となった。
離島患者の交通費 1千円からの増額幅は…
水俣病被害者救済法(特措法)に伴ってできた離島手当(離島の患者の交通費など)は月額1千円を1千円増額して2千円にするために1200万円の増額が要求された。
同手当は10年以上据え置かれており、近年の物価高もあって患者側は月1万円への増額を求めていた。環境省は「離島以外の患者とのバランスなどを総合的に踏まえた」としているが、患者側には不満が残った。
一方、鍼灸(しんきゅう)師…