「教えられた通りに株を買ったら、最初は本当に利益が出たんです」
著名人をかたったSNSのアカウントで投資に誘い、幅広い世代からお金をだまし取るSNS型投資詐欺が急増している。北海道旭川市の男性(40)は今年3月、220万円を失った。
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その手口は巧妙だった。
男性は既婚。建築関係の仕事をしている。老後の資金形成をしようと2年ほど前に「つみたてNISA」を始めた。国が家計の資産を貯蓄から投資に振り向けようと呼びかけていることも後押しになった。その後、いくつか株を購入したが、損失が出たものもあった。
もっと勉強したい――。
今年2月下旬、「LINEチラシ」のトーク画面に出た、実業家堀江貴文氏の投資の広告が目に留まった。
思わずクリックすると、「堀江貴文」というアカウントが「友だち」として追加できるようになり、「初めまして、堀江貴文と申します」とメッセージが届いた。
「優良な株のコードを知りたいですか? それとも専門的な投資知識を学びたいですか?」
丁寧な問いかけに従い「投資知識を学びたい」と返信すると、別のグループチャットに招待された。
毎日午後7~8時ごろ、「勉強会」として、長文のメッセージが「堀江貴文」から届くようになった。質疑応答にも応じてくれる。
同じグループに、他にも参加者が100人ほどいるように見えた。「利益をあげることができました。先生、本当にありがとうございます」という投稿もあった。
男性は、すすめられた株を普段から利用していた国内の証券会社で購入した。すると実際に利益が出た。
「2人いるわけない」 詐欺に気づくまで
アイコンは堀江氏本人の顔写…