丼から磯の香りがする。れんげで透明なスープを口に運ぶと、濃厚なハモの味。だが、全くしつこくない。
「誰かに教わることなく、僕がゼロから作った完全オリジナル」。店主の福岡博文さん(54)は自負する。ハモでだしをとったラーメンを出す店は、全国でも珍しい。
鍋に湯を張り、少しの昆布で風味をつけた後、ヒレを切って骨ごとぶつ切りにしたハモを、タマネギとニンジン、少量の鶏肉と一緒に10時間煮込む。
ハモは臭みを消すため、胃の内容物を排出させ、内臓を除き、皮のぬめりを丁寧に取る。
福岡さんのスープや麺、具材へのこだわりは後半で紹介します。
福岡さんが「10人中5人はおいしい」と思える味にたどり着くまで、2018年の開店から4年かかった。
46歳の時、「海に携わる仕…