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多くの聴衆が見つめる中、演説する斎藤元彦氏(左上)=2024年11月16日午後、神戸市中央区、筋野健太撮影

 民主主義の基礎と言われる選挙。しかし昨年、幾つかの選挙で、民主主義を危うくしかねない異変が起きました。参院選や東京都議選など注目選挙がある今年も、異変は続くのでしょうか。有権者の投票行動を研究する政治学者・岡田陽介さんと、選挙の現場をよく知る選挙プランナーの大濱崎卓真さんに、選挙の現状とこれからについて、語り合ってもらいました。

政治学者・岡田陽介さん×選挙プランナー・大濱崎卓真さん対談

 ――今年は男子による普通選挙法が制定されて100年、女性の参政権が認められて80年の節目の年です。昨夏の都知事選で健闘した広島県安芸高田市の前市長、石丸伸二氏が新党「再生の道」を立ち上げ、都議選に臨む構えを見せるなど、選挙を巡る話題には事欠かない予感がしますが、お二人はどの選挙に注目していますか。

 【岡田陽介】 7月の参院選が衆院選とのダブルになるかどうかです。参院選で自民、公明の与党が勝っても、衆議院の少数与党状態は解消されない。石破茂首相としては同日選で両院とも過半数を獲得したいところでしょうが、果たしてどうなるか……。

拓殖大学政経学部准教授。専門は政治学、政治心理学。候補者の秘書として国政選挙を経験。選挙と有権者の関係に関心を持つ。

 【大濱崎卓真】 私も参院選ですね。昨年は選挙の底が抜けた年になりました。このまま参院選を迎えると、どんな選挙になるのか。とりわけ全国比例に強い関心を持っています。

ジャッグジャパン代表。国政選挙や地方の首長・議員選挙に、政党にかかわらずコンサルとして関わる。

 ――選挙の底が抜けた?

 【大濱崎】 ことの始まりは昨年4月の東京15区衆院補選です。この選挙で顕在化した選挙の「コンテンツ化」が、その後の東京都知事選や兵庫県知事選にも影響を与えました。

 ――選挙の「コンテンツ化」ですか……。

選挙はネットで「バズる」金脈

 【大濱崎】 衆院補選でのつ…

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