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森山裕・自民党幹事長
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 日本維新の会の協力を取り付け、新年度当初予算の成立にメドが立った2月26日昼。東京都内で講演した自民党幹事長の森山裕氏(79)は、「いつも通り」だった。

 司会者が「予算は一山越えた」と水を向けると、「できれば多くの会派のご理解を得るべく協議を進めたい」。所得税の課税最低ライン「103万円の壁」の引き上げを求める国民民主党との協議は「引き続き努力する」。淡々としたやりとりが続いた。

 目立たず、多くを語らず、黙々と仕事をこなす――。

 黒衣に徹する森山氏の仕事ぶりは、時の首相の信頼を得た。2017年に国会対策委員長に就くと、総務会長、選挙対策委員長などを歴任。政権の中枢に身を置き続けた。

 党ナンバー2の幹事長に上り詰めても、スタイルは変わらない。記者会見では想定問答を読み上げ、踏み込んだ発言はほとんどない。

 ところが、2月4日の会見は違った。

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