来年4月に開幕する大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。主催する日本国際博覧会協会(万博協会)は「すべての人の人権を尊重する」としているが、性的マイノリティーの権利を守る活動をしているNPO法人「虹色ダイバーシティ」(大阪市北区)の理事長・村木真紀さん(49)は、「日本の現状を考えると、万博のテーマはまだ遠くに感じる」と語る。その真意とは。
――大阪・関西万博はSDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献を掲げており、目標の中にはジェンダー平等も含まれています。
今年4月、万博協会が人権ワーキンググループ(WG)を設置しました。このWGには私たちの団体の理事も参加しています。往々にしてLGBTQ(性的少数者)などマイノリティーの人権は後回しにされがちです。WGの設置などに取りかかるのが遅すぎるように感じますが、当事者の視点を入れてくれたのはよかったと思います。
――万博には世界中から多くの人が訪れます。誰もが安心して楽しめるようになるには何が必要でしょうか。
参加者やスタッフが差別を受…